クリント・イーストウッド監督・主演作、
イーストウッド俳優として最後の作品といわれ年老いた偏屈で
孤独な男が隣に住む極東アジアの少数民族モン族の若者との
心の交流を描いています。
STORY
ウォルト(クリント・イーストウッド)の長年連れ添った
妻の葬式が執り行われているが、ふたりの息子とその家族が
まったく気に入らない。神父・ヤノビッチの一度、教会に
きて懺悔なさいとの呼びかけにも若造がなにを言うとばかり
まったく受け付けない。家に帰れば近所に多くなってきた
アジア人に対して差別的感情を口にする。唯一の楽しみは
愛車のヴィンテージ・カーのグラン・トリノを磨き上げる
事。
一方、そのウォルトとの隣に住む家族の少年タオは女系の
家に育ったせいかおとなしく学校へも行かず、日中から庭いじり
などをしている。そんなタオの従兄のいる不良グループは
タオを仲間に引き入れようと強引に連れだす。
ウォルトが寝ていると物置で音がし、ライフルを構えて向かうと
なにやら少年がグラン・トリノに手をかけようとしている
ウォルトが銃を突き付けるとあわてて逃げだす少年、ウォルトは
発砲するが勢いで転んでしまう。朝鮮戦争で鳴らした兵士で
勲章も手にしているがウォルト自身も戦地で何人もの人間を
殺しただけだと今も悩んでいて、彼の偏屈さはそこから来ている
のかもしれない。その盗みに入ったのがタオだとわかったその
母と姉・スーはウォルトに詫びをいれモノ族の伝統たからと
嫌がるウォルトを聞き入れずタオにウォルトの手伝いをさせる。
その事がきっかけでウォルトはタオたちとの交流が始まる。
しかしその事が気に入らない不良グループはタオに制裁を
加える。それを知ったウォルトは銃をもってグループひとりひとりに
タオに近づくなと脅してしまうがその事が思わぬ波紋を呼ぶ。
アメリカの象徴
イーストウッド演じるウォルトはアメリカの象徴的存在
ではないか。フォードで部品をずっと作っていて家計をささえ
戦争に行き子供たちとは疎遠になり、グラン・トリノも今は、
車庫で眠ったまま、庭の芝刈りに、ポーチでビールを煽り、
かたわらには愛犬が、さらに自動車産業衰退とともに近隣に
住むのもアジア人などが多くなり、差別意識に磨きがかかる。
しかし遠くの親戚より近くの他人とばかり隣人と交流することで
ウォルトは変わっていく。そしてこのウォルトがイーストウッド
自身と重なって見えてくるのはこのラストでうなずけるし、
この映画で俳優として最後とした意味も良くわかってきます。
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